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2015-09-27

[写真展]10/8 – 11/1 宮脇慎太郎 『曙光』

明日を生きる者よ、
このすべてを受け継ぎなさい。
霧の風景はそう私たちに告げる。
私たちは、光を求めてゆく霧の子供なのである。
——— 批評家・人類学者 今福龍太(写真集『曙光』推薦文より)

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2015年9月。香川県の出版社、SAUDADE BOOKSさんから写真集『曙光 – The Light of Iya Valley』が出版されました。曙(あけぼの)の光と書いて「曙光(しょこう)」と読みます。英語の副題のとおり、“祖谷(いや)渓谷の光”をとらえた写真集です。(1,900 yen +税)

著者は写真家・宮脇慎太郎さん。香川県在住の写真家です。

香川県在住の彼が呼び寄せられたかのように年に何度も通いライフワークとして撮り続けた徳島県祖谷地域。“天空の集落”、“日本のチベット”などとも呼ばれる祖谷(いや)は山深く、四国の最深部ともいえる場所です。徳島市内からも高速道路を使って約1時間、そこからさらに山奥へと深い谷を臨みながら山肌を縫うように車を走らせ約1時間半。ようやく祖谷にたどりつきます。

平家落人伝説でも知られる祖谷。天から落ちるように差す光を待ちわびながら渓谷に暮らす人々は、さらなる光を目指して上へ上へ、“天空の集落”がある地へと向かったのでしょうか。写真家・宮脇慎太郎さんも祖谷に入り、その光を追い求めていくようになったそうです。

「その光は、街のものとはまるで別なものに見えた。もっと鮮烈で、こちらの肉体と意識にじかに入り込んでくるような、まるで命を持っているかのような剥き出しの裸の光だ。(『曙光』あとがきより)」

一年をかけて撮り溜めた、祖谷の厳しくも美しい自然と、そこで暮らす人々の営みを追った写真たち。それは“祖谷”を通して見る、かつて自然とともにあった日本の暮らしかもしれません。曙光=夜明けに差してくる仄かで強い光のような<時>が詰まった写真集です。

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uta no taneでは、この写真集『曙光 – The Light of Iya Valley』の写真展を開催いたします。写真:宮脇慎太郎(香川)、ブックデザイン:森 香菜子(uta no tane/KIGIPRESS・徳島)、印刷:松栄印刷所(愛媛)、編集・出版:SAUDADE BOOKS(香川)。そして、写真展のプリントは高知県の土佐和紙プロダクツが提供し、出版、写真展ともにすべて四国のメンバーでつくりあげたローカルブック&写真展です。

上記のとおり、この写真集のブックデザインは当店店主が担当させていただきました。
そこで、写真展では写真集の制作過程がわかるものも何か展示ができないだろうかと企画中です。

また、10/10(土)16時〜は徳島市沖浜町にあるナガヤプロジェクトにて、宮脇慎太郎さんのトークイベントも開催いたします。この写真集ができるまでについていろいろお話したいと思いますので、ぜひこちらにも足をお運びいただければと思います。


 

宮脇慎太郎 写真集『曙光 – The Light of Iya Valley』 写真展

2015年10月8日(木)- 11月1日(日)

◎ 期間中の休み
※不定休のためホームページの営業日カレンダー、または上記画像のカレンダーをご確認ください。

営業時間/13時〜18時
場所/uta no tane(徳島市末広4-8-32)

 

[トークイベント] ☆ご予約受付中
「写真集 曙光ができるまで」
写真集「曙光 – The Light of Iya Valley」の写真家・宮脇慎太郎とブックデザインを手がけたuta no tane/KIGI PRESSの森香菜子が、写真集ができるまでの裏話をお話しします。

日時 | 10月10日(土) 16時〜17時
場所 | nagaya.(徳島市沖浜町大木247)裏 トリトヒツジ2階
料金 | 1000円(祖谷晩茶つき) ※予約優先
予約 | emiyoshida80@gmail.comナガヤプロジェクト

※この日はnagaya.でのナガヤ縁日への出店&トークイベントのため、utanotane店舗営業&写真展はお休みです。

宮脇慎太郎  Shintaro Miyawaki
1981年、香川県高松市生まれ。写真家。大阪芸術大学写真学科卒業後、六本木スタジオなどを経て独立。大学在学時より国内外への旅を繰り返し、日本列島では聖地と呼ばれる様々な場所を巡礼。2008年、東京から高松に活動の拠点を移す。「日常の中の聖なるもの」を含む風景やポートレートの撮影に取り組む。2012年、仲間とブックカフェ・ソローをオープン。現在、季刊『せとうち暮らし』に「Turtle Island Stories」を連載中。

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