#雑記 2017.11.06 mon
先日のこと。トークイベントを聞きにふらりと埼玉まで行ってきた。
今年4月に『してきなしごと展』をutanotaneでも開いてくれたウチダゴウさんと、昨年夏に『100人のシルクスクリーン展』を企画巡回しにやってきてくれたギャラリーtanabikeの店主ヤマチさんという二人の対談。「お世話になっている」というのもあるけれど、付き合いのある同世代(二人とも年下だけど)のなかで個人的に尊敬している二人。話を聞いてみたいと思って、ふらりと行ってしまったのだった。
「正しさの外側」というのが話のテーマ。
大学を卒業して、就職をして、結婚して、子育てして、家を買って、老後のことを考えて、、そんな一般的な人生の流れがあって、社会のルールや常識があって、多くの人がそれを素直に受け入れて暮らしていっている。そういう「正しさ」のなかにまっすぐな人ほど、「詩人」や「ギャラリー店主」なんていう生き方に出会ったりするときっと豆鉄砲くらったようになるんだと思う。そんな、「詩人」として生きるウチダゴウと、「ギャラリー」を営むヤマチタクという、「外側」にいる二人のトークイベント。
この二人はわたしのなかでは対照的なところがあると思っていて、一方は、トークイベントに行くと言ったら「駅まで迎えにいきます」と言ってくれる気を遣いすぎるくらい気遣いのできる男で、一方は、新居は車がないと行けないのか?と尋ねたら「駅からレンタサイクルが出てるよ。そこからどれくらい時間かかるのか知らないけど」と笑って済ます男。しかも坂道だという。(そういえば、この人は雷が鳴ってる大雨の日にわざわざ出向いたときも迎えにきてはくれなかった)
そんな尊敬している二人の話は、とても興味深いものだった。
わたしも立派な「外側」の人間だけど、けっこう大き(そう)な企業を辞めて、ギャラリー経営なんていう不安定な道を選んだtanabikeヤマチさんが未だに不思議に思うし、就職せずに「ウチダゴウ」として仕事をすることを選び、家を建ててしまうウチダさんには唖然とさせられる。
でも、そんな二人の生き方に、わたしは安心する。
こういう風に生きてもいいんだと思わせてくれる。
(真似したくはないと思う人はたくさんいるだろうけれど)
外側をまっすぐに。生きていてもいいのだと。
なによりも、「してきなしごと」として詩の作品をつくりグラフィックデザインを手がけるウチダさんの仕事ぶりにも、丁寧に作品を伝える温度の通った空間をつくるtanabikeヤマチさんの仕事ぶりにも、かなわないなと思う。自分の正しさをまっすぐにぶつけた良い仕事をしている二人の、生き方を垣間見れた時間はなぜだかとても心地よかった。
やっぱり会いに行ってよかった。
tanabikeでは今、utanotaneでも4月に展示したウチダゴウさんの作品が巡回されているほか、新作もたくさん展示されています。(2017.11/7まで)
「うつくしいもり」/ ウチダゴウ
ただしいまちを
ぬけだして
うつくしいもりに
こころをひたす
それをとがめない
せかいでいたい
■ tanabike / タナビケ http://tanabike.com/
■ してきなしごと / ウチダゴウ http://oo53.com/