#レポート はしもとなおこ個展
2016年4月16日(土)〜5月1日(日)開催
はしもとなおこ 個展「はじまりは一本の線」 at. uta no tane
uta no taneでは初めてのテキスタイル作家さんの展示になりました。
反物も届いて、生地のみの販売も。一枚の布から、どんなものが出来上がっていくのでしょう?
天井から2枚の布を吊るして展示。
そのとなりには布の図案の原画、そのもととなったドローイングなど、一枚の布が出来上がるまでの過程がわかるように展示しています。そして、その布からつくられたバッグやポーチ、クッションカバーなども隣に置いて。
大人も持てる動物柄を…との思いでつくられた布「lion lion」。
原画のドローイングは今回の展示フライヤーにも使用しました。
テーブルに並んだたくさんのグラスを見て描いたドローイングをもとに、「glass dot」の布が出来上がりました。複数のグラスのスケッチ(絵)は、徐々に図案化され、「布」になっていく様子がよくわかります。「布になったらおもしろいもの」を考えている過程がわかると、やっぱりテキスタイルデザイナーってすごいなあと感じます。
柄はまだ3種類。それぞれ色違いもありますが、ただの色違いではありません。どれも配色のセンスがとても素晴らしく、はしもとなおこさんのテキスタイルの良さは、図案のかわいらしさだけでなく、絶妙な色選びにもあると思います。
染めは染色の職人さん。バッグやポーチ、お洋服などの縫製も、それぞれ縫製の職人さんにお願いしているそうです。
裁断の位置は縫製職人さんにお任せ。どんな構図で切り取られて製品になって返ってくるのかわかりません。そのたびに「こんな構図もおもしろいな」と自分でつくった布をまた新しい気持ちでみれるそうです。
バッヂや手鏡は、特に布の柄がわかりにくくなるのですが、それもおもしろさのひとつ。
お洋服も受注で販売。
はしもとさんもとてもお似合いのワンピース(チュニック)。
この柄は「overlap」。影の重なりをイメージしてつくられた布。2色しかつかっていないデザインですが、不規則に重なり合うことで、おもしろいリズムでトーンの変化が生まれています。
普段はしもとさんが描いているドローイングのいろいろも壁にペタペタと貼りました。
これからもしかしたら図案のもとになるかもしれないもの。たくさんドローイングを描きためて、あとで見返しながら「布になったらおもしろいもの」を冷静な視点でみつけていきます。
こちらは、活版印刷のポストカード。線も色もすてきです。